第6回

 今回は、遺言書相続放棄についてです。

 前回法定相続人及び法定相続分について記述しましたが、遺言書がある場合は、原則として遺言書に従って相続されます。日本では欧米諸国と比較すると、遺言書が書かれることは多いとはいえません。理由は様々かと思いますが、たとえ少額の財産しかないという場合であっても、遺言書は残しておくべきです。

 遺言書がない場合に、法定相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合、遺産分割が終了するまでの間は、相続財産は相続人全員の共有となりますので、相続人単独では相続財産を処分することはできません。不動産や株式の売却もできませんし、預貯金も相続人全員の同意書がない限り銀行は払戻しの請求には応じないのが原則です。

 遺産分割に反対したり、音信不通の相続人がいたりしますと、相続する家族は被相続人の預貯金を払い戻すことが困難となり、亡くなった被相続人の入院費用や葬儀費用の支払いに充てることができなくなってしまいます。

 また、相続税の申告及び納付期限は相続開始を知った日の翌日から10ケ月以内であるため、無申告加算税や延滞税を避けるには、遺産分割が終了していなくても納税する必要がありますが、遺産分割が終了していないと、相続税を納めるために預貯金を払戻したり、相続財産を処分することも難しくなります。

 遺産分割協議が整わない場合、前回記述した家庭裁判所への遺産分割調停・審判の申立ての手続がありますが、その場合でも、最終的に遺産分割が終了するまでは、相当程度の時間がかかってしまします。

 以上からも、遺言書を作成しておくことは、相続人の無用な争いを防止するとともに、円滑な相続手続きが可能となります。

 遺言書で定めることができるのは、以下のとおりです。

1.法定相続分とは異なる相続分割合の指定

2.相続人の廃除・廃除の取消し

3.遺留分減殺方法の定め

4.遺産分割方法の指定

5.遺産分割の禁止

6.共同相続人間の担保責任の減免または加重

7.特別受益の持ち戻し免除

8.認知

9.未成年後見人、未成年後見監督人の指定

10.第三者への遺贈

11.信託の設定

12.財団法人設立のための寄付行為

13.遺言執行者の指定

その他

 逆に、遺言でできないことは、婚姻、離婚、養子縁組、離縁、債務の分割方法の指定などです。

 

 次に、遺言書の種類についてです。

遺言書には、普通方式の自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があり、特別方式の危急時遺言、隔絶地遺言がありますが、普通方式の遺言書のそれぞれの長所・短所は以下のとおりです。

1.自筆証書遺言…費用がほとんどかからないが、法律の定めに従った作成方法でないと、無効となってしまします。また、遺言書の改ざんのおそれや遺言内容の解釈の問題が生じる可能性があります。また、相続開始後家庭裁判所での検認手続が必要となります。

 

2.公正証書遺言…公証人関与のもと作成するため、遺言内容の実現の確実性が高く、紛失、改ざんのおそれも少ないです。家庭裁判所での検認手続も不要です。デメリットは、証人2人が必要となることや、公証人費用がかかります。

 

3.秘密証書遺言…遺言内容を秘密にできます。デメリットは、費用がかかること、証人2人が必要となることなどです。

 それぞれの遺言書の長所、短所をふまえた上で作成されることをお勧めします。作成にあたり、疑問点が生じたときは、専門家にご相談されること良いです。

 

 次に相続放棄についてです。

 相続が発生し、相続人が被相続人の財産を調査したところ、債務(負の財産)がプラスの財産を上回る状況で相続をしたくないという場合、相続の開始を知ってから3ケ月以内に家庭裁判所に申し立てることにより、相続放棄をすることができます。注意すべき点は、3ケ月以内という期間制限があるということ、また、仮に負債がプラスの財産を上回る場合でも、相続放棄をすると全ての相続財産を放棄することになりますので、住宅の名義が被相続人だった場合、住宅を相続することができなくなってしまいます。

 相続放棄の手続につきましては、期間制限がありますので、相続開始を知ったらなるべく早めに相続財産の調査を行い、様々な状況を踏まえ、相続を放棄するのか否か判断する必要があります。

 家庭裁判所への相続放棄申述書は下記になりますので、ご参照ください。

 

相続放棄申述書.pdf
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 今回は以上になります。

次回は、相続財産に不動産が含まれている場合の、相続による移転登記申請について記述していきます。

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